ハンドボールをするのであれば、用意しなければいけないのがハンドボールシューズです。
インドアスポーツなのでバスケットボールシューズ(バッシュ)やバレーボールシューズで代用できそうなイメージがありますが、一時的な代用をすることはできても本格的な代用にはなりません。
また、基本的にインドアで行うスポーツですが、練習場所や施設によっては外でプレーするケースもあります。
そのため外用と室内用があり、場合によっては2種類を用意しなければいけません。
ハンドボールシューズの選び方は
競技者を保護してくれる大切なもの
ハンドボールを始めたころは、他の競技のシューズを代用してもよいです。
しかし、ある程度試合に出るようになっても他の競技のシューズを履いている人を多く見かけます。これはとても危険な行為です。
そもそも、なぜハンドボールシューズを履かなければいけないのでしょうか。一番の理由は、競技者の保護です。
ハンドボールは激しいスポーツであり、コートの中を縦横無尽に走り回ります。さらにジャンプしたり、ステップしたりと足に大きな負担がかかるスポーツです。
スポーツをするにあたり一番重要な脚を守ってくれるのが、シューズです。
プレイするスポーツの特性に応じたシューズ選びをすることが、安全にスポーツを楽しむ第一歩になります。
他の競技とはどんなところが違うの?
ハンドボールシューズは、バスケットボールシューズやフットサルシューズと、どんなところが違うのでしょうか。
まず1つ目の違いは、ハンドボールシューズは横の動きに強い靴底になっている点が挙げられます。
ハンドボールでは、前後の動きだけでなく左右の動きも多いので、シューズは着地したときにしっかりとグリップが効く造りになっています。
グリップが効かないとそのまま床を滑ってしまい、止まることができませんし、最悪、ねん挫などの怪我につながります。
ハンドボールシューズは基本的に足首の部分を覆っていないローカットが多いですが、足首の部分をガードすることができるバスケットボールシューズに似たハイカットのものあります。
ねん挫癖のある人はハイカットを履くのもひとつの方法です。
2つ目の違いとして、ハンドボールシューズは靴底(アウトソール)が厚くできている点が挙げられます。
ハンドボールでは、ジャンプシュートやフェイントなど靴にかかる負担が大きく、靴を破損する可能性があります。
足にかかる負担を軽減することもできるので、靴底が厚くできています。
外用と中用の違いは
基本的に屋内で行うスポーツですが、状況によっては外でハンドボールを行うケースもあります。そこでハンドボールシューズも外用と内用に分けられています。
大きな違いとしては、外用のシューズは靴底の凹凸が大きくなっており、サッカーのスパイクまではいかなくても突起が飛び出ているようなものもあります。
これは、砂や小石の多い外のコートでも滑りにくい仕様になっているためです。
突起が多いので、外ではしっかりとグリップを効かせてくれますが、外用のシューズを体育館などの床で使うと接地面が少ないので摩擦力がなく、非常に滑りやすくなります。
よって、内外を兼用で使うのは避けた方がよいです。
シューズ選びのポイントは
シューズを選ぶときのポイントは、普段履いている靴を選ぶときと大きく違いはありません。ポイントはこの2点です。
自分の足の大きさにあっていること
大きさはメーカーによって若干異なり、実際に自分で履いて確かめてみることがポイントです。
国内メーカーの場合にはある程度自分の足のサイズと合っていますが、ヒュンメルなど海外メーカーを選択するときには、国内のサイズと若干違うので注意が必要です。
また、大きさを選ぶときには靴下の厚さも考慮する必要があります。
ハンドボールをするときには、足にかかる負担を軽減するために厚めの靴下を履くケースが多いです。あえて2枚靴下を履くケースもあるので、靴下分を考慮して靴選びをしましょう。
自分の足の形状にあっていること
人によってフィット感が違いますが、日本人は比較的、足の甲の部分が広いと言われており、日本メーカーの製造している靴は、やや幅広になっています。
一方で欧州メーカーのものは、全体的に幅が狭めになっています。自分の足が狭めという人は、欧州メーカーの靴も履いてみるとよいでしょう。
そして欧州メーカーのハンドボールシューズは、日本メーカーに比べるとやや重めです。
ポジションによる特性はあまりない
ハンドボールにはいくつものポジションがありますが、ポジションによってシューズが分かれているということはありません。
キーパー用やPV用といった分け方はなく、どのポジションでも選択するシューズは自由です。
シューズ選びとポジションの関連性で言えば、軽めのシューズであれば速く走ることができ、フットワークが軽くなります。
一方、重めのシューズになると足の機動性は落ちますが、しっかりとしたグリップ力を発揮してくれます。
このあたりの違いとポジションの特性、さらには自分のプレイスタイルから選択するのがよい方法です。
人気のハンドボールシューズはどんなもの?
屋内用で人気のシューズ5選
第1位 スカイハンド JP THH536 (アシックス)
ハンドボールシューズの中でも定番と言える、アシックスのスカイハンドシリーズです。
機能性が高く、クッション性・通気性・グリップ性に優れているので、初心者から上級者まで幅広く使うことができます。
色もさまざまなバリエーションがそろえられており、ネイビーとホワイトのような男子が好みそうな色合いから、ピングを主体とした女子が好みそうな色もあるので、男女どちらからも支持が高い特徴があります。
初めてハンドボールをする人に「どのシューズを買えばよいですか」と言われたら真っ先にすすめるシューズです。
価格は9,000円台が相場です。
第2位 GEL FASTBALL 3 (アシックス)
数あるハンドボールシューズの中でも、軽さが特徴のシューズです。アシックスの商品の中でもかなり軽い部類に入ります。
軽いシューズだと、ジャンプの着地のときに足を捻りやすくないか心配する人が多いですが、このシューズは中心部分に重心が来るように補強されているので、安定構造になっています。
シューズの重さが気になる人や、ちょっとでもダッシュ力を高めたい人にはおすすめのシューズです。
色が青や黒系しかないので、男子からは支持を得やすいですが、女子からはやや嫌われる色合いです。
価格は9,000円台中盤が相場です。
第3位 インドアシューターIII (ヒュンメル)
ハンドボールと言えば「ヒュンメル」というぐらい名前が知られている、デンマークのスポーツメーカーのシューズです。
なんと言っても魅力は価格で、他のハンドボールシューズが1万円近い値段でありながら、ヒュンメルのインドアシューターIIIは6,000円台で購入することができます。
ビギナー向けシューズと言っても過言ではなく、中学生や高校生の部活をしている人からの支持が高い特徴があります。
価格が安くても機能性に劣っていると言うことはなく、厚底のしっかりとした造りになっており、グリップ性能も抜群です。
デザインがカラフルなのも特徴で、青やパープルといったカラーを中心に使っており、男子よりも女子からの支持が高いシューズでもあります。
国内メーカーのものに比べるとシューズそのものが小さめに作られているので、購入するときには自分の足よりもやや大きめを選択するのがよいです。
第4位 BLAST FF (アシックス)
数あるアシックスのハンドボールシューズの中でも7,000円台と比較的安価に購入できることから人気のあるシューズです。
特徴は、かかとと踏みつけ部分に衝撃緩衝素材が使われており、クッション性が高くなっている点です。
また軽量化も施されているので、素早い動きに対応できます。
第5位 レジェンドフライⅣ (ヒュンメル)
ヒュンメルの商品の中でも、軽量化が施されているシューズです。
軽量化だけでなくグリップ性能も高められているので高速で相手を抜き去ったり、フェイントで相手を抜き去ったりすることが得意な人向けのシューズです。
同じレジェンドフライシリーズのⅡを使ってみて、物足りなくなってきた人が上位モデルとして選択することが多いシューズになります。
価格もⅡに比べると少し高くなっており、7,000円台後半から8,000円ぐらいが相場になっています。
屋内で人気のハンドボールシューズまとめ
屋内で人気のハンドボールシューズの特徴として「グリップ力」「軽量」「通気性」のどこにこだわるかで選択肢が分かれます。高額なものほど3つとも高い性能を有しています。
メーカーとしてはアシックスがダントツの人気で、次にヒュンメル、そしてランキングには入っていないもののミズノなどが続きます。
男子用、女子用、あるいはメンズ、レディースという分け方はありませんが、デザインや色で男女分かれることが多いです。
特にヒュンメルは欧州メーカーらしく、赤や黄色と言った派手な色合いを好む傾向があり、日本メーカーは落ち着いた配色を好む傾向があるので、男子はアシックス支持者が多く、女子はヒュンメル支持者が多い傾向もわずかながらあります。
上位モデルになればなるほど性能も上がりますが、価格も上昇する傾向があるので、まずは5,000円から7,000円ぐらいのシューズで初めて、ある程度のレベルになってきたところで上位モデルにシューズを替えていくのもよい方法です。
屋外で人気のシューズ3選
第1位 スカイハンド OC2 (アシックス)
屋外で人気のハンドボールシューズで、高い支持を得ているのがアシックスのスカイハンドOC2です。
靴幅はレギュラーサイズで、日本人にあった大きさになっています。優れているのが耐久性とグリップ性能で、土のグランドでも滑りにくく作られています。
軽いのも特徴で、長時間運動していても体力の消耗を抑えることができ、素早い動きにも対応できます。
ハンドボールだけでなく、他の屋外スポーツをするときにも十分使えるシューズです。
第2位 グランドハンター II (ヒュンメル)
ヒュンメルの作り出した、屋外ハンドボール専用のシューズです。
屋外でプレイをするとどうしても地面との接触が多くなり、外側を摩耗しやすくなります。そこでこのシューズでは特に摩耗しやすいつま先部分にプロテクトプリントが施されており、つま先の耐久性が高くなっています。
また比較的幅広に作られているので、日本人の足にも合いやすい傾向があります。
海外メーカーらしくカラーリングも鮮やかで、スカイブルーや黄色、ピンクを基調としたデザインで作られているので、男子選手だけでなく、女子選手からも高い支持を得ています。
第3位 ウェーブガイヤ3 (ミズノ)
靴の幅が広いワイドタイプに作られているのが特徴のシューズで、これまでのシューズでは足の横幅が合わないといった人から支持を得ています。
ミズノウェーブと呼ばれる波状の板が挟み込まれているのが特徴で、ジャンプの時にかかる衝撃をしっかりと吸収してくれます。
クッション性が高いので、膝に負担がかかりにくく、故障を減らすことができます。
耐久性や安定性の面では他のものと変わりませんが、他のメーカーでは足の幅が合わず痛い思いをしたという人は試してみてもよい靴です。
屋外で人気のハンドボールシューズまとめ
屋外で利用されるハンドボールシューズの人気は、屋内で利用されているメーカーと同じ傾向があります。
屋内シューズと屋外シューズのメーカーを統一している人も多く、シューズの特徴から同一メーカーの方が履きやすいという理由です。
屋外シリーズでは、グリップ性能だけでなく耐久性が課題であり、砂や石などの凹凸が多いところで使うので、どうしても消耗が激しくなります。
靴選びをするときには、耐久性を重視して選択するのがポイントになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。最後にもう一度ポイントをまとめてみます。
自分にぴったりのシューズに巡り逢えるとよいですね。
ハンドボール専用シューズの特徴
- ハンドボールをするときにはプレイの質を高めるだけでなく、怪我を防止する観点から見ても専用のシューズを購入してプレイするのがよいです。
- シューズはさまざまなメーカーから販売されていますが、国内メーカーのものは日本人の足にあった形状をしていることが多く、軽量化や通気性といった機能面がしっかりとしている反面、やや価格が高い傾向があります。
- 海外メーカーは、靴幅がやや狭めのため窮屈に感じることがある一方で、デザイン性に優れたものが多く、女性が好む色合いが多いです。価格も日本メーカーに比べると安価です。
屋外と室内でシューズを分ける
ハンドボールシューズには外用と中用があり、シューズの特徴が大きく異なっているので、共通で利用することは怪我につながります。
それぞれに合わせたシューズの購入がおすすめです。ぜひ参考にしてみてください。