特に、肌寒い時期において重宝するウィンドブレーカー。その名称は耳にしたことがあることでしょう。
見聞きはするものの、どのようなものがウィンドブレーカーなのか、他の衣類との違いは何なのか、はっきりと答えられる方は少ないのではないでしょうか。
ここでは、ウィンドブレーカーの定義や特徴、機能について徹底的に解説をしていきます。これであなたも「ウィンドブレーカー博士」です。
一般的に「ウィンドブレーカー」とは
ウィンドブレーカーとは、防寒着の中でも防風性、保温性に特化した衣類の名称で、その言葉には「風よけ」という意味もあります。
とても軽量で、小さくたたんで携帯することが可能なタイプのものが多く、汎用性や実用性が高い衣類です。
まずは、一般的なウィンドブレーカーの素材や機能、利用シーンなどを整理しましょう。
使われている素材
ウィンドブレーカーは、ナイロンやポリエステルを素材として使用していることが多いです。
ナイロンやポリエステルは軽量でしわになりにくく、綿よりも風を通しにくい特徴があります。素材の特徴を上手に利用して、携行性、防風性、防寒性を考慮して作成されているといえるでしょう。
注意点として、ウィンドブレーカーは断熱素材を使用しておらず、全体的に薄い生地を使用しています。そのため、極端な低温環境で使用することを想定して作られていません。
機能・効果
ウィンドブレーカーは素材の特徴を活かした携行性や防風性、そして保温性を持っていますが、さらに色々な機能がある製品もあります。
撥水性や吸湿・速乾に効果のある素材で作られているものや、より防風性や防水性を高めるために、縫い目にシームテープ加工を施しているものもあります。
防風性においては優れた機能を持つ製品が多く、それらは寒い状況下では保温性に優れ、体温維持に効果的な生地で作られています。
これらに断熱材を取り付けたものは「ウィンドアップ」や「ウォ―マー」などと呼ばれ、保温性により優れています。
ウィンドブレーカーの使用用途はさまざま
ウィンドブレーカーは、ハンドボールなどのスポーツシーンでの利用はもちろんのこと、最近では山や海などのアウトドアでも使用する方も多くなってきているようです。
また近年、メーカーデザインではなく自分たちのチーム専用のデザインにできたり、必要な機能を選んで作ることができるオーダーメイドのお店も出てきました。
チームできちんとしたウィンドブレーカーを持っていると、試合・練習・移動などさまざまなシーンで活用ができますので、おすすめです。
他の衣類との違い
ここからは、ウィンドブレーカーと似ている他の衣類との違いについて整理していきましょう。
レインウェアとの違い
ウィンドブレーカーとレインウェアの大きな違いは、その機能性です。
ウィンドブレーカーは撥水性のある生地を使用しているものがあり、そういったものは少しの雨を防ぐことは可能ですが、本降りの雨や長時間の降雨には耐えることができません。
縫い目が防水加工されていないため、長い時間使用していると水分が内部に浸透してきてしまいます。
一方で、雨天時や豪雨時に長時間使用しても雨の進入を防いでくれるのがレインウェアです。
レインウェアは水の進入を遮断しますが、スポーツなどに使用すればウィンドブレーカーよりも熱がこもりやすく、熱中症のリスクも高まってしまいます。それぞれの特性に合わせた使用方法を心掛けるべきでしょう。
ヤッケとの違い
ウィンドブレーカーと似ている素材でできている衣類に「ヤッケ」というものがあります。
このヤッケと呼ばれる衣類は、一般的にフード付きの防風・防寒用の簡易的な上着の名称です。
簡単に言ってしまえば「ウィンドブレーカーにフードが付いたもの」なのですが、一般的なウィンドブレーカーよりもどちらかと言えば「作業用」だと言えるでしょう。
この衣類の特徴・機能としては、通気性がよく晴れた日の使用が最適で、建設現場では頻繁に使用されています。
アノラックとの違い
「アノラック」とは、ほとんどがヤッケと同様の素材で作られている衣類で機能もほぼ一緒ですが、用途としては登山に使用されている衣類です。
ウィンドブレーカーとほとんど同じ素材で作られているにもかかわらず、デザインやカラーなどで名称が変わってくるのは面白い点でしょう。
ウィンドブレーカーの定義とは
現代のウィンドブレーカーは類似商品が非常に多いため、他の製品との判別が困難です。
そこで定義を知るために、ウィンドブレーカーの元々の由来を深掘りしてみましょう。
ウィンドブレーカーの名前の由来
ウィンドブレーカーという名前の由来は、ただ単純に「風を防ぐ」という英語から来たのではありません。
アメリカのJHON RISSMAN&SONと言うメーカーが、ジャケットとして製作・販売した「ギャバジンウィンドブレーカージャケット」という商品が名前の由来になっているようです。
当時のJHON RISSMAN&SONが開発した「ギャバジンウィンドブレーカージャケット」は、現在私たちが目にするウィンドブレーカーとはまったく異なった商品だったようで、使用している素材も現代とは違っていました。
商品の目的としては「風を防ぐ」機能を重視したことに違いなく、現在のウィンドブレーカーの定義としても「風を防ぐ」機能を有するウェアとするのが妥当なところでしょう。
まとめ
ウィンドブレーカーの定義を知るべく、さまざまな角度からウィンドブレーカーを見てきました。
機能が似ていても、用途により呼び方が変わる、面白い側面も発見することができました。
ウィンドブレーカーは、JHON RISSMAN&SON社が求めた「風を防ぐ」という理念を受け継ぎ、現代の素材や技術・機能で製品がよりアップグレードされ、さらに細分化されているといえるかもしれません。
あなたがハンドボールにおいて、どこでこのウェアを使うのか、どういった機能を求めるのか—お気に入りのウィンドブレーカーを見つける一助になれば幸いです。