ハンドボールをするのに一番大切な道具として、ボールがあります。しかし、一言でボールといっても非常に種類が豊富です。
ここではハンドボールで使うボールの種類、適性、さらに特徴について解説します。
ハンドボールの種類
ハンドボールの号数とサイズ・重量
練習や試合などで使われるハンドボールは、大きさと重量によって4つに分けられています。まず、すべてを一覧表にすると以下の表のようになります。
号数 | 0号球 | 1号球 | 2号球 | 3号球 |
---|---|---|---|---|
周囲 | 46~47cm | 49.5~50.5cm | 54~56cm | 58~60cm |
直径 | 約15cm | 約16cm | 約18cm | 約19cm |
重量 | 200~220g | 255~280g | 325~375g | 425~475g |
主な利用者 | 小学生低学年 幼稚園児レクリエーション向け | 小学生 | 一般女子 大学女子 高校女子 中学生 | 一般男子 大学男子 高校男子 |
上の表のように、ハンドボールは0号から3号までの4種類が用意されています。番号が大きくなればなるほど大きく、重たくなっていく仕様で、利用する年代も違います。
注意しておきたいのは、3号に関しては男子のみで、女子は2号まで。また中学生はすべて2号を使っているという点です。
このため、中学生男子が高校生になると、ボールの大きさが突然変わるので戸惑うことににもなります。
一般的なスポーツショップで販売されているものは2号球と3号球が多く、1号や0号になるとなかなかスポーツ店でも販売がありません。ハンドボールの専門店やインターネット通販を使って購入するのがよいでしょう。
特殊なトレーニングボール
バスケットボールなどのスポーツでも用意されていますが、トレーニング専用のボールも用意されています。
ハンドボールの場合には、ボールの大きさが変わっていく過渡期において、シュートの練習やボールの威力を増すためのトレーニングとして、トレーニングボールを用いることが多いです。
主な商品としては、モルテン(molten)から販売されているものがあります。
ヌエバH2X9200が大きさは2号、重さが3号になっているもの、ヌエバH1X9200は大きさが1号、重さが2号相当になっているボールです。
ハンドボールの素材
ハンドボールの素材は、ボールによってさまざまです。重要視されるのは、ボールの表面が何でできているのかということです。
いわゆる公式ボールと呼ばれているボールは天然皮革でできており、最も高価です。続いて人工皮革、合成皮革、ゴムというグレードになっていき、価格もこの順番になっています。
ボールの素材が変わると、グリップ性能が大きく変わります。特に、合成皮革やゴムはグリップ性能がよくないのでボールのコントロールがしにくく、3号になると滑り止めがないと持つことができないケースもあります。
プレイの精度にも大きく影響を与えるので、公式の試合では天然皮革または人口皮革を用います。
代表的なボールメーカー
ハンドボールを主に生産しているメーカーというと「モルテン(molten)」と「ミカサ」です。
特にモルテンのヌエバシリーズと呼ばれているものは、世界的な公式大会でも使われているボールで、信頼性は高いです。
ミカサは小学校や中学校の体育などで利用されるボールが多く、ゴム製のものが多いです。価格が安いので、大量購入するのであればミカサのほうが安くなります。
ボール選択のポイントとは
年齢・体格に適した大きさを
ハンドボールのボールを選ぶときには、年齢と体格に適したボールを選びましょう。
前述したようにハンドボールは、年齢によって使うサイズが異なります。練習するときも試合と同じ大きさのボールを使ったほうがよいです。
また、注意をしたいのが小学生です。小学生でも中学生になってからを見据えて中学生用の2号球を利用する指導者がいますが、あまりよくありません。
なぜなら小学生と中学生用では重さで1.5倍近い差があり、それだけ肘や肩に負担をかけることになります。
小学生の体格、筋力で中学生用のボールを使うと体を壊す恐れがあるので注意しましょう。
使う場所でボールを変える
ハンドボールの練習をするときには、屋外で行うケースと屋内で行うケースがあります。このときにも、場所の特性に応じたボールを選択するようにしましょう。
屋外での練習時には、耐久性が必要になります。最も多く使われているのはゴム素材であり、次が合成皮革になります。この2つの素材は、グリップ性能は劣るものの耐久性があります。
さらに、どうしても屋外利用すると劣化が激しくなるのですが、価格が安価なので買い替えもしやすいメリットがあります。
逆に屋内で練習する場合には、人工皮革がおすすめです。グリップ性が高いので持ちやすく、ボールを扱いやすくする補助剤も少なくて済みます。
おすすめのハンドボール
プロが使うような公式球
molten(モルテン) ハンドボール 3号球 ヌエバX5000 公認球 H3X5001-M9Z
天然皮革でできている、2019世界選手権公式試合球です。価格はサイトによって異なりますが、7,000円から9,000円前後です。
毎年、その年の公式モデルが販売されており、2020年は東京オリンピックモデルの赤と白のデザインモデルが販売されています。
同じようなもので、少し安価になっているのが以下です。
molten(モルテン) ハンドボール ヌエバX5000 3号球 ブルー×ホワイト H3X5001-BW
こちらはIHF(国際ハンドボール連盟)の公式試合球になります。価格は6,000円から7,000円程度が相場になります。
どちらもグリップ力がよく、質の高さを感じるボールです。特に実際のボールを使ってシュートすると、回転のかかり方の違いに驚きます。
スピンシュートの曲がり方は大きく、回転のかけ方もしっかりと掛かります。
安いボールばかりで練習をしていると、公式球を使ったときに回転がかかりやすくてミスをすることもあります。
同じような公式球で2号ボールになると、以下がおすすめです。
molten(モルテン) ハンドボール ヌエバX5000 2号球 ブルー×ホワイト H2X5001-BW
X5000モデルの2号球バージョンで、皮や縫い方は同じです。こちらも国際ハンドボール連盟の認定球となっています。
全国中学生ハンドボール大会などの上位大会や、世界大会ではこれが使われています。
個人が使えるボール
公式ボールレベルになると、値段が高くでなかなか手を出せないという人におすすめなのが、同じmolten(モルテン)のヌエバシリーズで販売されているX4000やX3600です。
このボールは価格が4,000円台程度のものが多く、手ごろで、品質が良いのが特徴です。真っ黄色のデザインになっているので大会などの会場でもよく見かけるのではないでしょうか。
このボールも国際的な基準を満たしたとされている検定球で、地区大会レベルの公式試合では試合球としても用いられています。
練習と試合での感覚を変えたくないという人にはおすすめです。
購入の際に注意点として、このボールには屋外用と屋内用があります。
最も安いゴム球
部活動の指導などで、できるだけ安いボールを購入したいという場合にはゴム球がよくなります。
ただし、高校生男子以上が使う3号球となると、ゴム球はあまりありません。
こちらの代表的なボールとしては、以下があります。
Molten(モルテン) ハンドボール ゴム球 スポーツテスト用
どちらもゴム素材でできているので、屋内、屋外両方で使うことができます。さらに価格も2,000円前後で購入することができるので、大量購入にも向いています。
欠点としては、ゴムなので劣化が激しいことと、ゴールポストの角など鋭利な部分に当たるとすぐに破損してしまう点が挙げられます。
まとめ
ここまで、ハンドボールのボールの特徴についてまとめました。
商品は数多くありましたが、ポイントになるのは「学年に応じた適切な大きさを選択すること」です。
これは、試合がそのボールで行われているというだけでなく、身体への負担を小さくする意味があります。
2つ目は素材ですが、高価なボールになればなるほど細かいコントロールがつきます。価格と性能の2つを天秤にかけて選択するのがよいでしょう。