ハンドボールの練習をするときに、ただ練習をしているだけでは、上達はするものの効率が良いとはいえません。
ハンドボールは、身体能力が必要なことはもちろんですが、チームとしての戦術、そしてチームとしてどのように練習していくのかという意識も大切になります。
そこで上手に活用したいものが「ハンドボールノート」です。ハンドボール専用にノートを1冊作ることによって、練習メニューだけでなく、気づいたこと、今後に向けてなどを記録することができ、効率よくチーム力を高めることができます。
ハンドボールノートとは
ハンドボールノートの役割
ハンドボールノートには、大きく3つの役割があります。
- 練習のメニューを記録することで達成度を実感すること
- 自分自身を振り返ることで次へのステップアップをすること
- 第三者の意見をもらうことで次へのステップとすること
この3つを実行することができるように、日記のようにつけていくことが大切になります。
ハンドボールノートの書き方
では、どのような内容をハンドボールノートに書けばよいのでしょうか。これは普段の練習のときと試合のときで記載する内容が変わります。
まず、練習をしたときに記載するとよい内容は、以下のことを記録しておくとよいでしょう。
- その日の練習メニュー
- 練習をしたことによって実感したこと
- その日の課題と気づいたこと
- 次にどのようにするとよいか改善策など
- その日の体調
記録するときには文章にすると大変なので、短い言葉だけでも充分です。
試合のときに記載しておきたい内容は、以下のようなことを記録しておけばよいです。
- ゲームの結果
- 自分の出場時間、得点、退場などの記録
- ゲームの感想、反省点
- 監督やコーチからの助言
得点した、退場したなど大きなことがあった場合には、具体的にそのシーンを振り返っておくのも後々の参考になります。
販売されているハンドボールノート
ハンドボールの練習や試合結果を記録するものは、一般的なノートでも可能です。ただし、ハンドボール専用のノートもあり、これを使うと記録しやすくおすすめです。
みんなの部活ノート ハンドボール 5冊セット
B5サイズのノートで、小さく手軽に持ち運ぶことができます。なかには大学ノートのような線と、右下に小さめのハンドボールコートが書かれています。
大学ノートと同じような形式なので自由に書いていくことができますが、図が少し小さく、中学生クラスだと少し使いにくいかもしれません。
高校生から大学、社会人向けに便利なノートです。
ハンドボールノート Wリングタイプ B5サイズ 5冊セット
リングタイプのものと、ミシン目タイプのものが用意されているハンドボールノートです。サイズはB5で80ページあります。
特徴は、中にハンドボールが書かれていますが、それが大きいところです。ノート全体の4分の1ほどにコートが書かれており、コートの中に人の動きやポイントなどを書き記すことができます。
「ポイント」「気づいたこと」が印刷されているので、小学生から中学生向けとなります。
CLUBサクセスノート ハンドボール B5サイズ 3冊セット
大きさはB5サイズ、64ページあります。特徴は書く内容が細かく決められており、練習内容や指導者からのアドバイスなどを記載していく場所が表のようになっています。
さらに練習のページと試合のページに分かれており、ゲームの結果も詳しく書くことができます。
これまで紹介したノートの中では、自由度は低いものの一番書きやすいものと言えます。これは小学生から社会人まで幅広く使えるものです。
市販のノートでもハンドボールノートを作ることができますが、指導のしやすさや書きやすさという点からいうと、専門のノートを使うのがよいです。
プレイヤーから見たハンドボールノートの使い方
達成感を味わう
ハンドボールをする人がノートを生かすことができる場面の1つ目が、達成感を味わう場面です。
例えばハンドボールを始めたばかりの人であれば「ジャンプシュートができるようになった」「ラテラルパスができるようになった」「試合でゴールを決めた」など、小さなことでも記録しておくことで、自分自身の達成感を味わうことができます。
毎日の練習だけでは、自分がどの程度成長することができたのかは小さすぎて感じることが難しいです。
しかし、それを何週間後かに振り替えることによって「上手くなった」「できるようになった」という気持ちを味わうことができます。
記録をつけることで、それが分かりやすくなります。
次への反省とする
練習をしてみたものの、うまくいかないというケースも多くあります。こうしたときにはノートに反省点を記しておきましょう。
最初のうちは反省点ばかりになってしまうかもしれませんが、いろいろな練習方法を知っていく中で、反省点から改善点を生み出すことができるようになります。
「PDCAサイクル」という言葉を仕事や教育の世界ではよく使います。「P (Plan=計画)」「D (Do=実行)」「C (Check=評価)」「A (Action=改善)」、このスパイラルにハンドボールの練習メニューをはめ込むことができれば、早く上達します。
Dの実行は実際の練習でしかすることができませんが、P・C・Aの3つを忘れないようにノートに書き込んでおくことで、今自分が何をしなければいけないのかを考えて練習することができます。
ゲームの助言・アドバイスを生かす
ハンドボールを始めたばかりのころは「ゲームに勝つ」「点を取る」、これが最も楽しいことです。
しかし、実際にはなかなかそうはいきません。そこでゲームで感じたこと、特に悪かった部分や監督、コーチからのアドバイスはノートに書き留めておきましょう。
これは、個人の能力を高めることにも大切ですが、チームとしてどのようにしなければいけなかったのかを振り返る機会にもなります。
ハンドボールは、個人能力だけでは勝つことができません。チームとしての作戦があり、戦略的に個人が動くことでチーム力が高まります。ゲームに負けたときには何か問題点があったということであり、それをノートに書き留めておくのは、忘れないようにするためにも大切です。
チームキャプテンなどの要職についているような人であれば、ぜひやっておきたい記録です。
指導者から見たハンドボールノートの使い方
個人の成長を把握する
ハンドボールノートは、選手ひとりひとりに書かせっ放しでは意味がありません。チームを預かる責任者(監督や顧問)、また、コーチなども読んでおくべきものです。
なぜなら、ノートを読むことによって、個人の成長を把握することができるからです。
練習中、全ての選手の動きや成長を把握するのはとても難しく、人数の多いチームになれば余計です。しかし、ノートを見ることによって、その子は何ができるようになったのか、逆に何ができなくて困っているのかを把握することができます。
選手は、できないことをできるようにしたくても方法を知らないケースが多く、ここで適切なアドバイスをすることが、選手の成長を早め、チームを強くします。
チームとしての方針を示す
ハンドボールノートを作らせることは、チームとしての方針を浸透させていくためにも重要です。
監督やコーチは、チームが勝つためにいろいろな指示をしていきます。言葉でも伝えることができますが、文字で残しておけば強く伝わります。
さらに、意図的に練習させていきたい場合にも、文字で伝えていくことによって分かりやすく、監督やコーチの意思を伝えることができます。
チームの意思を統一させるためにも、ハンドボールノートを活用しましょう。
まとめ
ハンドボールノートを書くことは、日々の練習を振り返り、自分で力を高めていくプレイヤー側にとってメリットがあります。
指導者側も練習内容を伝達したり、個人の成長を確認したりするためにも役立ちます。
ノートは市販のものでも十分ですが、数種類の専用ノートが販売されており、ハンドボールに特化したテンプレートとなっているので、書きやすいメリットがあります。
専用ノートを、ぜひ取り入れてみましょう。