ハンドボールのパス | 種類とコツ、練習方法まで

ハンドボールのパスイメージ

ハンドボールでは、相手ゴールにボールを近づけていくとき、ドリブルよりもパスを多用します。

強いチームになればなるほど、流れるようなパスワークが特徴であり、相手のディフェンスが出来上がる前にボールがコートを動き回ります。

そのため、チーム力を強化していく上では、パスの技術向上は欠かせません。

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正確なパスを投げる

静止した状態でパス交換

パス練習の基本は、正確に相手の胸のあたりにパスを出すことです。短い距離であればそんなに難しくはなく、準備運動の一環としても行うことができます。

そして、徐々にパスの距離を伸ばしていき、目標はコートのサイドラインからサイドラインまで正確にコントロールできる技術が欲しいです。

長距離のボールをしっかりとコントロールするときのポイントは、ボールの回転です。

ハンドボールは野球ボールに比べるとボールが大きいので、回転のかかり方によっては左右にぶれます。

ブレを抑えるためには、ボールに正しく回転をかけることが大事です。

ボールを投げた人から見て、綺麗なバックスピンがかかっていると真っ直ぐに進みます。カーブ回転したり、シュート回転をしたりしてしまうとそれだけでボールの方向がずれてしまいます。

オーバーハンドで手首の方向を意識しつつ、しっかりとスナップを効かせて振る癖を、初心者のうちにつけておきましょう。

変な振り方で覚えてしまうとコントロールが悪くなるだけでなく、肘肩にも負担をかけることになります。

ハンドボールのハーフコートを使い、四隅に人が立って、パス回しの練習をしていくのも効果があります。

6種類のパスをマスターしたい

ハンドボールのパスをマスターしていくときには、6種類のパスをマスターしたいところです。すべてのパスを使いこなすことができる選手がいれば、相手にとっては脅威です。

フェイントの動作とも連動するラテラルパス、ワンバウンドして相手に届けるバウンドパス、横手から投げるサイドハンドパス、後ろに投げるバックパス、ジャンプしながら投げるジャンピングパス、そして基本のオーバーハンドパスです。

どのパスにも一長一短があり、速いモーションで短い距離ならばラテラルパスが有効ですし、長距離パスならばオーバーハンドパスが有効になります。

たくさんの種類のパスを身に付ければそれだけ選択肢が広がりますが、使いこなすだけの判断力も必要になります。

ただ、最も大切なことは正確に相手に届けることができるようにすることです。

動きながらパスを投げる

プレイ中は、止まってボールを投げる機会よりも動きながらボールを投げる機会の方が多くあります。そこで練習のときからボールを動きながら投げる練習をするのがよいです。

注意点は、動いていることによって距離感のぶれが生じるのとオーバー(3歩を超えて歩いてしまう反則)になる危険性があります。

最初のうちは歩きながらボールを投げる、できるようになってきたら小走り、そしてダッシュしながらとレベルを上げていきましょう。

動いている人に向けてパスを出す

パスで難しいのが、動いている選手に対してパスを出すことです。

パス出しをする選手としてはポストやゴールキーパーの選手が多く、受け手となるのはサイドプレイヤーが多くなります。

短い距離でパスをする場合には、そこまで気になりませんが、長距離のパスになると選手の動きを予想してボールを出す技術が必要になります。

選手の動きを止めるようなパスを出しては時間のロスが生まれ、攻撃が止められてしまう可能性があります。

動いている人へのパス出しは、正確なコントロールと経験値がものを言います。

練習を始めたころは、コーンなどの目標物を置いて練習をするようにしましょう。そして、実際に選手に走ってもらってパスを投げる練習も大切です。

できるだけ早くパスを届けたい場合にはダイレクトのパスが有効ですが、自陣からボールを早く出しつつも相手コートまで行ったらスピードを落としたいときには、バウンドパスが有効です。

パスを受ける人の走力や投げての遠投力を考慮しながら、適切なパスを出すことができるように練習しましょう。

受け手における準備

次につながる準備をしながら受ける

パス練習をするときには、ただボールを投げるだけではいけません。ボールを受けるほうも、練習時から意識しておくことがあります。1つ目が次につながる準備です。

ゲーム中、パスを受けてそのまま止まっていることもありません。次にドリブルをしたり、ステップをしたりと動きます。

パスを受けるときにそのまま止まっている状態では駄目で、次にどうするのか意識しながらパスを受けるようにしましょう。

パスを受けるときに準備動作ができていれば、速く次に移ることができます。

意識しておきたいゼロストップ

ハンドボールではルール上、両足を同時に着けば0歩とみなされます。(厳密には両足を同時に着くことは不可能ですが、ついたこととしてみなされることが多い)

これをゼロストップと言います。

ゼロストップができれば、そのあと3歩動くことができるので、1歩分広く動くことができます。

足を片足ずつついてしまうと、すでに1歩目を踏んだこととみなされます。そこでボールを受けるときに確実にゼロステップができるように練習しましょう。

基本のキャッチボールの時間で十分に可能なので、ボールを受ける前に動く動作を入れ、キャッチしたら両足でしっかりと着地できるようにします。

効果的なパス練習は

動きながらパスを出すイメージ

動きながら投げる1対1

パス練習で効果的な練習方法のひとつに、5m程度離れて2組に分かれて立ち、お互いにパスをし合う練習があります。

この練習のよいところは、ボールを受けて、投げると同時に反対側の後方に移動しなければいけないので、ボールをキャッチするときに次に行うことの予備動作を練習することができる点です。

さらに投げたと同時に走り出すことができるので、実践でもよくある動きを練習できます。また、パスの相手が正面におり、目標がはっきりとするのでハンドボールを始めたばかりの初心者向けの練習メニューになります。

横に動きながらボールを受け、投げるスクウェア・パス

もうひとつパス練習の定番メニューとしてあるのが「スクウェア・パス」または三角形で行う「トライアングル・パス」です。

  1. ハーフコートを利用して四隅に立ち、ボールを投げると同時に投げた方向に向かって走り出します。
  2. 走る人は半円を描くようにコーナーに近づいていき、そのまま対角のコーナーに向かって走ります。
  3. ボールを受けた人は、半円を描きながら対角のコーナーに走っていく人にパスを出します。
  4. パスを受けた人はそのまま対角の選手にボールを出し、終了です。

ボールを受けた対角の選手は、ひとつ前のコーナーから走り始めた選手が、コーナーを描きながら走ってくるので、その選手に向かってパスを出します。この動きを繰り返してトレーニングします。

この練習のよいところは、動きながらパスを受けて、そのままパスを出さなければいけないこと、角でパスを受けた選手は、走ってくる選手の位置を予想してパスを出さなければいけないことの2つの要素を同時に練習できる点です。

最初のうちはひとつのボールでゆっくりと回していて、慣れてきたらスピードを上げていきます。

また、回る方向を逆にすることで、投げるモーションが逆モーションになるので、これだけでも難易度が変わります。

さらに、ボールを2つにする練習方法もあります。

スクウェア・パスは、フォーメーションプレイの基礎になる動きも含まれているので、徹底的に練習し、チーム全員ができるようにしておくとよいです。

走る運動も含まれているので、試合前のウォーミングアップにスクウェア・パスを盛り込むチームも多いです。

実戦形式でのパス練習

ここまでの練習は、相手選手がマークすることもなく、邪魔をすることもないので容易にパスを出すことができます。

ある程度動きながらパスを受ける、投げる練習ができるようになって来たら実戦形式に移ります。

代表的な練習が2対1や3対2などのオフェンスとディフェンスに分かれる練習で、相手の位置によってどんなパスを出せばよいか考えながらボールを動かします。

ドリブルを禁止すると全員が動かないといけなくなるので、パスの技量が身につきます。

さらに、時間制限を設けるのもひとつの方法です。

ある程度、動くことができるようになって来たらドリブルを入れるようにすると、オフェンス側の選択肢を増やすことができます。

ゲーム形式でのパス練習

パス練習の最終形態が、6人対6人で行うゲーム形式の練習です。

ゲーム形式になると、ポジションごとに役割が生まれてきます。ボール回しの起点となるCB、ボールを受けてディフェンスを広げる役割のあるRWやLWのように、それぞれのポジションの人がどんなボールを出さなければいけないのか考えるようにしましょう。

まずは、LBから45、センターを通って反対側のRBまで素早くボールをつなげることと、それに連動して選手が動くことができるようにトレーニングします。

そして、実際にディフェンスについてもらい、ボールを受ける位置が適切か、パス回しがディフェンスに対して効果を与えているのかを確かめます。

特殊なパス練習も必要

速攻におけるロングパス

ゲームの動きの中では、特殊なパスを出すケースがいくつかあります。代表例が速攻のパスです。

ハンドボールでは数少ないロングパスを出す瞬間で、ボールの投げ手と受け手の呼吸が大切です。パスが通れば大きな得点のチャンスとなります。

ボールを出すときには走っている選手の前方にボールを出すことが大事で、動きを止めてしまったり、戻らなかったりしないといけないボールは効果がありません。

また、速攻ボールは、相手選手に取られないように出さなければいけません。特にゴールキーパーの動きに注意して、出すパスの種類を選択しましょう。

スローインの練習

ゲーム中にコートの外にボールが出たり、反則があったりした場合には、スローインやフリースローになります。この練習ときに投げる役、受ける役も練習しておきましょう。

特にフリースローは、得点チャンスでもあります。

だれが投げて、どんなフェイクプレイを入れるのか、フォーメーション練習ともかかわりますが、1本のパスで大きく局面を変えることができるので、投げ手になる人は受け手との練習が必要です。

パス練習の参考動画

トライアングルパス練習

サークルパストレーニング

スクウェアパスの1例

大型のトライアングルパス

ハンドボールのパスに関するルール

ハンドボールにおけるパスの、基本的なルールを覚えておくことも大事です。

下記に基本的なルールから反則行為までまとめていますので、こちらもチェックしてみてください。

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