ハンドボールは、決まった練習時間だけ練習していても上手くはなりません。
普段から身体を鍛えることは大切ですし、それがハンドボールの技術向上にもつながってきます。
小学生や中学生であれば、ハンドボールを通してトレーニングしたことが将来、他のスポーツを選択したときにも基礎力として大いに役立ちます。
では、チームで練習するとき以外にはどんなトレーニングをするとよいのでしょうか。
自宅でできる簡単トレーニング
柔軟性の強化
1人でできるトレーニングの中でも、自宅で簡単にできて効果の高いメニューが、柔軟性のトレーニングです。
ハンドボールは跳んだり、ダッシュしたりとハードなスポーツです。当然身体への負担も大きく、怪我につながることもあります。
この怪我をしない身体を作っていくときに大切なのが、柔軟性です。
ストレッチや前屈、股割り、足首の柔軟など、身体を柔らかくするためのメニューはたくさんあります。ラジオ体操なども、身体を柔らかくするには効果があります。
柔軟性はすぐに身につくものではなく、数カ月以上にわたってじっくりとやることで身につきます。
風呂上がりなど身体の伸びやすい時間帯に毎日ストレッチを繰り返すことで、怪我に強い身体作りをすることができます。
持久力を強化するランニング
1人のトレーニングメニューで一番簡単なものが、ランニングです。
どのスポーツでも基礎トレーニングとしてメニューに入っていますし、持久力を鍛えることができます。
ハンドボールでは前後半20分ずつ、合わせて40分を走らなければいけません。
ハーフタイムを除けば休憩時間はないので、長距離走が速い人ほど持久力があり、ゲームの後半になっても体力が落ちません。
また、持久力だけでなくダッシュ力も必要です。
何十メートルをダッシュすることも大切ですが、相手よりも一歩前に出ることができるように数メートルのダッシュ力を鍛えましょう。
できれば5分間や1,500mなど体に負担がかかる時間を走り、記録を取るなどして自分のモチベーションを上げることができる練習メニューにすることが大切です。
持久力も、柔軟性と同じように一朝一夕で鍛えることができる力ではありません。
普段の生活の中にハンドボールの練習がないときにも、ランニングを取り入れておくと持久力を鍛えることができます。
初心者は特に鍛えておきたい握力トレーニング
ハンドボールを始めたころに鍛えておきたいのが、握力です。
ボールを持たないといけないためで、握力がないとボールを持つことができず、投げたときのコントロールも悪くなります。
ポジションによっては何百回とボールを受けることになるので、ゲーム後半になっても握力が低下しないように鍛えておきます。
練習方法も簡単で、スポーツショップで販売されている握力を強化する道具を使ってもよいですし、ただゴムボールを握っているだけでもトレーニングになります。
少なくとも、握力が30kg程度はないとボールを投げるときの遠心力に負けてボールコントロールができなくなってしまうので、それ以上を目指してトレーニングするのがよいです。
お風呂で強いリストを作る
シュートを打つときに、ハンドボールでは強いシュートだけでなく、手首を上手に使ってバウンドさせたり、投げる瞬間に方向を変えたりします。
このようなシュートを打つときに必要なのが、手首(リスト)の筋力です。上級者になるには、強いリストを持っていることが大切になります。
リストを鍛えることで有名なトレーニングがタオルを振るトレーニングで、これをするだけでも手首の筋力を鍛えることができます。
また、同じようなことはお風呂でも可能で、水の圧力を利用して、湯船の中で何度も手首を振ると鍛えることができます。
ただお風呂で振るだけでなく、風呂桶やプラスチックの板など手首に負荷をかけることができる道具を使うと、さらに効果を高めることができます。
しゃくりやスカイプレイなど高度な技を身に付けたい場合には、お風呂で強いリスト作りをするのがおすすめです。
練習の空き時間でできるトレーニング
ボールを上手に取り扱うハンドリング
サッカーでいうリフティング、バスケットボールでいうとハンドリング―どちらも最初の頃に練習しますね。
ハンドボールも同じで、いかにボールを自由自在に取り扱いできるかは、重要なポイントです。
そこでボールひとつあれば狭いスペースや空いている時間にトレーニングできるのが、ハンドリングです。
ボールを持って身体の周りを回す、腰回り、首回り、膝まわり、地面についた状態で転がすなど、身体の周りにボールを回すだけでも多様なメニューがあります。
指先で上手にボールを転がす技術があれば、細かいボールコントロールが可能になります。
ほかには、ドリブルや自分の身体の前でボールを転がすスイッチなども身に付けておくと、フェイントをかけるときに使えます。
フェイントにつながるターン練習
ハンドリングを鍛えることも大切ですが、足さばきの技術もフェイントをかけるときに大切になります。
代表的なものにターンフェイントがあります。軸足を固定しておいて、もう一方の足で回転する技で、バスケットのピボットに似ています。
素早く行うことで身体を大きく動かすことができ、相手ディフェンスにフェイントをかけることができます。
フェイント以外にも狭いスペースにおいて身体をねじ込み、シュートコースを作り出すこともできます。
慣れるまでは軸足を動かしてしまいオーバーステップになる危険性があるので、日ごろの練習からオーバーステップにならないように気を付けてターン練習をします。
この練習は1人で、しかもボールがなくても可能です。左右どちらの足を使ってもターンすることができるようになれば、大きな武器になります。
大きなボールを使ったトレーニング
遠くにボールを飛ばしたり、速いシュートを打つためには、腕の筋力だけでなく腰の回転を利用してしっかりと回る必要があります。
腕ばかりに頼っていると最悪、肘や肩を故障する要因にもなります。
そんな腰の回転力アップに1人でできる練習が、大きなボールを使った筋力トレーニングです。
ただし、この練習はボールを投げるため、的当てなどで使うことができる壁があることが前提です。
ボールをぶつけることができるようなものさえあれば簡単に練習でき、大幅な筋力アップを望むことができます。
練習のポイントはハンドボールよりも重めのボールを投げることで、専門のスポーツ用品としては「パワーボール」がありますが、そこまで専門的なものではなく、バスケットボールでも十分に代用が可能です。
ボールを投げるときに腰で回転することを意識することで、腰回りの筋力と背筋を鍛えることができます。
背筋力は強いボールを投げるためには大切なものであり、多少ボディバランスが崩れても強いシュートを打つことができます。
45やセンターなど強い当たりを受けやすいポジションの人は筋力をアップして、当たり負けしない身体を作るようにしましょう。
まとめ
1人でできるハンドボールのトレーニングは、基礎的な力をつけることができるものが多いです。
その代わり、継続性を求められるものが多く、毎日地道に行うことにより力をつけることができます。
ハンドボールに限らず、他のスポーツにも応用をすることができる練習ばかりなので、将来的にハンドボールを離れても役に立ちます。
ただし、単純なトレーニングばかりなので練習メニューや場所、目的意識の作り方がポイントになります。
指導者目線から考えると、いかに高いモチベーションをもって練習に取り組ませるか工夫をする必要があります。
怪我を防止することができ、技術面を磨くうえで基礎になる力を身に付けさせることができる1人トレーニングは、強いチーム作りをする上で大切になります。
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