ハンドボールのムササビシュートとは?やり方とコツを徹底解説

ムササビシュートイメージ

スポーツには、利き手によって有利不利が存在します。

例えば、野球だとキャッチャーは送球の妨げになるので右利きが優位ですし、卓球では、ボールの回転が逆になるため左利きが優位と言われています。

ほかにも、ポジションによって利き手の優位不利があるスポーツは多いです。そして、この利き手による優位不利を解決する手段もスポーツによって用意されています。

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ムササビシュートは利き手の優位不利を埋める

左利き優位のポジション?

右側のポジションイメージ

ハンドボールというスポーツでは、主に6つの場所(右サイド・右45・センター・左45・左サイド・ポスト)に選手が立ち、シュートを打ちます。

このときに右サイドと右45は、ゴールを狙うシューターの角度を広げるため、左利きが優位のポジションです。

左サイドと左45は右利き、センターとポストは利き手による優位不利はありません。つまり理想的には、チームに2人は左利きのプレイヤーがいると、ポジションを決めるときに楽になります。

しかし実際には、左利きのプレイヤーがそんなにいなかったり、右利き選手のほうが運動能力が高かったりしたため、右利き選手を右サイドや右45に入れることもよくあります。

チーム力を左右する右サイド

ハンドボールというゲームにおいて、サイドの選手はとても重要な役割を持っています。

サイドの選手が点を取れるということは、それだけディフェンスは広く守る必要があり、必然的にディフェンスラインの間隔が開きます。

するとその間に45がセンターの選手が入り込みやすくなり、点を取りやすくなります。

右サイド1つ取っても、得点能力の高い右サイドがいるのかいないのかでは、中央部分の守りの堅さが変わってきます。

右利き右サイドがマスターすべきムササビシュート

ムササビシュートイメージ2

ムササビシュートを身につけるべきポジションは、右利きの右サイド選手です。

もちろん、左利きの左サイド選手が身に付けてもよいですが、このケースは稀だと思います。

右サイドの選手がムササビシュートを打てると分かってしまうと、相手チームとしては非常に嫌な存在であると認識します。

ゲームの前半に1回やるだけでも効果は絶大のシュートになります。

ムササビシュートの概要

 基本の動作

ムササビシュートのジャンプ方向イメージ

ムササビシュートは、右サイドの選手がサイドシュートを打つときにゴール方向へ飛ぶのではなく、コートの中心方向に向かってジャンプしてシュートをします。

一般的なジャンプシュートは、ゴールの方向へ向かって飛んでゴールまでの距離を縮めますが、ムササビシュートの場合には、コートのセンター方向に飛んでゴールとシューターの角度を広げるようにします。

サイドシュートが難しいのは、どうしてもシュートする位置からの角度が小さく、狙える範囲が狭くなり、シュートミスが増えてしまうという点です。

左利きの場合は角度が広い

右サイドで左利きの場合は、無理にムササビジュートをマスターする必要はありません。

なぜなら、左でシュートを打つことができる分だけ腕の長さ分、角度を稼ぐことができます。

ただ、ムササビシュートまではいかないものの、ジャンプを内側に向かって飛んだり、サイドハンド気味に手を出したりすることができると、シュートコースを広げることができます。

だれにも邪魔をされないでボールが扱える

ムササビシュートのメリットは、角度を広げることができるだけではありません。

シュートを打つときにボールを保持している側にディフェンスがいないので、自由にボールを取り扱うことができます。

ディフェンスに邪魔をされることなくシュートを打つことができるので、便利です。

ムササビシュートを打つまでの練習方法

選手の選考

ムササビシュートそのものは非常に高度なシュートになるので、だれにでも打つことができるというわけではありません。

サイドの選手の場合、足の速い人が優位になりますが、最初からムササビシュートを使って点を取りたい場合には、それなりに身体能力が優れた人を配置する必要があります。

では、どんな人が適任かというと「体幹が強い人」「ジャンプ力がある人」「冷静な人」この3つが重要になります。なぜ、重要なのかをこのあとで解説します。

1. まずは受け身の練習から

受け身イメージ

ムササビシュートを打つには、いきなりシュート練習から始まるわけではありません。まず、一番大切なのが受け身の姿勢づくりです。

ムササビシュートのデメリットの1つですが、身体を完全にコートに投げ出すようにして打ちます。(シュート直前の姿勢は地面と身体が平行になっていることが多い)

そのため、シュート後に立って着地できればよいですが、そのまま地面にダイビングすることもあります。このダイビングをしっかりとすることができるように受け身の練習をします。

マットを置いたり、弱く飛んだり、恐怖心を克服することと、怪我をしないようにトレーニングをします。

2. シュート前のステップ

2つ目に、シュートの前の足の動きを練習します。

シュートを打つときに、右利きだと左足で最後に踏み切ることは、普通のジャンプシュートと同じです。意識したいのはその一歩前になります。

通常のジャンプシュートを打つときには、一歩前もゴールの方向を向いていますが、ムササビシュートの場合、一歩前の段階で身体をコートのセンター方向に振る準備をします。

具体的には、つま先がゴールライン方向を向くようにして、コートの外側に向かって強く踏み込みます。これで重心がコートのセンター方向を向くので、次の踏み切りがしやすくなります。

最後の踏み切りで身体の方向を変えようとすると負担が大きくなるので、一歩前のステップを意識しましょう。

 3. シュートは手首で打つ

スナップイメージ

3つ目がムササビシュートの一番難しいところで、シュートを打つ瞬間です。

ジャンプシュートであれば、腕の力とそこまでの加速力を合わせてシュートしますが、ムササビシュートではセンター側にジャンプしながらゴール方向にシュートをするという、力のベクトルが垂直の関係になった形でシュートしなければいけません。

当然、大きく腕を使ってシュートするのは不可能で、手首でスナップスローのようにシュートをします。

ボールを完全に保持しているのはもちろんですが、空中での姿勢がしっかりとしており、その中で手首を使ってシュートするという体幹の筋力が必要になります。

それが、ムササビシュートを打つのであれば体幹が強い人でなければいけないという理由になります。

ムササビシュートのコツ

1. 高くジャンプする

ムササビシュートをきれいに決めるためには滞空時間の長いジャンプが必要になります。

つまりジャンプ力が必要であり、滞空時間の長い選手ほどゴールへの角度を作りやすくなります。

スローの参考動画を見てもらうと分かりますが、かなり高く飛んでいます。

このように高く長く飛ぶことができれば、ムササビシュートはやりやすくなります。

2. キーパーの動きを見て決める

2つ目のコツが、冷静なシュート力です。

ムササビシュートはキーパー側から見ると角度が付けられるため、非常に取りにくくなります。

さらに、選手の動きに合わせてキーパーの重心も動いていきます。そこで、キーパーの動きを見て冷静に決めることが大切です。

もちろん、スピードのあるシュートでサイドネットを狙うのも1つの方法ですが、シューターから見ると右側の部分に隙間ができるため、ここに冷静にコントロール良く狙うのもありです。

飛んでいる間に、シュートコースを冷静に見極めることが大切になります。

まとめ

ムササビシュートは、右サイド右利きのプレイヤーが習得すると大きな武器になります。

サイドの得点力が上がるだけでなく、他のポジションの選手も動きやすくなる相乗効果をもたらします。

しかし簡単に習得できるようなものではなく、怪我のリスクも付きまといます。何度も練習を繰り返しながら、他のシュートよりも時間をかけて身に着けることが大切です。

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