ハンドボールのポストプレイヤー(PV) | 役割や動き方、シュートや練習まで解説

フレン・アギナガルデ

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ハンドボールの PV(ポスト)とはどんなポジション?

ハンドボールのゲーム中に、他のプレイヤーとは異なる動きをするのがPV(ポストプレイヤー)です。

得点を取るのは45やサイドの選手が行いますが、この選手たちが点を取りやすいようにサポートする「影の立役者」となります。

PVのポジション特性

スペースを確保する

PVの選手は他のポジションの選手とは異なり、攻撃をするときには6mライン付近にポジションを取ります。

6mライン付近には相手チームのディフェンスラインができており、その中に入り込むのがPVの位置取りです。

そして、PVに一番求められるのが「スペースの確保」になります。

センター・45・サイドの選手が確実にゴールを決めるためには、6mラインからシュートを打つことが大切になります。しかし、このライン沿いには相手チームがしっかりとディフェンスラインを引いており、そのままではなかなか突破することができません。

そこで、PVの選手がディフェンスラインの動きを邪魔して、他の選手が突っ込んでくるだけのスペースを確保します。

PVはボールを持たないところでの役割が多く、それが「影の立役者」と言われる理由になっています。

攻撃のバリエーションを増やす

PVの役割はスペースを作ることだけではありません。攻撃のバリエーションを増やすためにも、PVの質の高い動きが必要になります。

PVが絡んで動くフォーメーションは数多くあります。トリックプレイやポストプレイ、スクリーンプレイなど、すべてPVの選手がコントロールをしなければいけません。

また、ゲーム中にセンターや45選手の方向を向いていることが多く、サインプレイの指示出し役もPVが担うことが多いです。作戦上で重要な要になるのがPVの特性です。

前後の動きを作り出すPVの役割

攻撃のバリエーションを増やすことに関連しますが、PVの動きは攻撃の前後の動きを作り出すのにも最適です。

通常、オフェンスがディフェンスを切り崩すときにはサイド・45・センターによるボール回しで横にディフェンスを振り回し、スペースを作ってシュートまでもっていきます。しかし、横の振り回しだけでは、なかなか切り崩すことが難しいケースもあります。

そこでディフェンスを前後に揺さぶる役割をするのがPVの選手です。PVの選手は6mラインに張り付いているのではなく、6mライン沿いを自由に動きます。

さらに9mライン付近まで動くことができると、6mラインに沿って形成されていたディフェンスラインを前後にずらすことができます。

このように、横一列になっている壁を前後にずらしてスペースを作る役割を持っているのがPVです。ボールを持っていなくても、チームの状況を見て動く力が求められます。

どんな状況からでもシュートを打つ

PVに求められる特性のひとつに、どこからでもシュートを打てなければならないという点があります。

PVの選手は自由に動くことができるので、どの角度からもシュートを狙う必要があります。

通常のジャンプシュートのほかに、プロンジョンシュート、バスケットのアリウープのような飛び込みシュート、クイックショットなど、上手に身体を使ってシュートを打つ能力が求められます。

45やセンターのように長い距離を打ち抜く必要はありませんが、素早いモーションでシュートを打つ能力が求められます。

綺麗にシュートを決めるよりも、泥臭くボールを追いかけていく性格の持ち主がPV向きです。

退場者が出たら代役に

ハンドボールでは悪質なファールをすると、2分間の退場処分になります。1試合の中で4回まで退場できますが、激しい試合になると次々に退場者が出て、コート内にいる選手の数が変動します。

当然、退場選手が出たポジションが空くことになりますが、PV以外の選手が退場してしまうとボール回しをすることができなくなります。そこでPVの選手が、退場者が出たポジションに入ることが多いです。

そのため、どのポジションでもある程度できる汎用性を身に付けておくと、ゲームの中で重宝します。

PVの適性を持つのは体格・判断力・身体の強さに優れた人

アンドレアス・ニルソン

ディフェンスを抑えるだけの体格と身体の強さ

PVの選手に一番求められるのは、体格と身体の強さです。バスケットボールのセンターに近い仕事が求められるPVは、密集地域の中で存在感を発揮しなければいけません。

また、ディフェンスラインの中に入り込むPVは身体接触が禁じられているハンドボールですが、他の選手に押されたり、つかまれたりすることが日常茶飯事です。

こうした選手を押さえてプレイしなければいけないので、体格は大きな方が優位です。さらに、相手に押されても負けないだけの強さが必要になります。

スクリーンプレイやポストプレイなど、ほかのポジションにはない身体接触の多いポジションであることを理解してメンバーを決める必要があります。

小柄な場合には機動性で勝負

チームの中に、PVを任せることができるような体格の選手がいればよいですが、体格のよい選手の優先順位としては45になります。

そこでチームの中に体格や身体の強さで勝負できる選手がいない場合には、機動性で勝負します。

作戦を熟知して判断できる力

PV選手が一番活躍するのがスクリーンプレイやシザーズプレイですが、これらの作戦を実行するためにはチームの戦術を理解している必要があります。

戦術だけでなく、それぞれのポジションのプレイヤーの特性を分かっていることも大切で、ディフェンス隊形を見ながら指示を出します。

野球でいえば捕手のような役割であり、味方側を見てプレイする選手として適格なゲームメイクが勝敗を分けます。

指導者目線で見るPVの特性

ハンドボールの指導者をすると、PVにどの選手を持ってくるのかで勝敗が大きく左右されることを実感します。

特にチームの戦術という根幹の部分に関わるので、PVの選手を早めに決めることができるとチームの方向性が決まります。

PVの決め方には2種類あり、バックの選手(45・センター)を決めて、チーム戦術の基本が決まってから、それに合ったPVを選択する方法と、PVを戦術の柱として決めてしまい、その後に他のポジションを埋めていく方法です。

どちらがよいというのは一概に言うことはできませんが、強力なLBやRBがいるときには、その選手を軸としてPVを決めていくほうが点は取りやすくなります。

一方で、飛びぬけたような選手がおらずチーム力で勝負する場合には、チームの戦術根幹となるPVの選手を先に決めてからチーム作りをした方が、強くなりやすいです。

ただし、チーム作りをしていくときに1人のPVに頼ったチーム作りをしてしまうと、その選手が抜けたときに大きな戦力ダウンとなるので注意が必要です。

PVの基本的な位置取りと動き

オフェンス時のPVの位置取りについて

オフェンス時のPVの動きは大きく5つあり、覚えるだけでも非常に大変です。

空いているスペースに動く

PVの選手は、6mラインから9mラインの間に張り付きます。そして左右に動きますが、一番簡単なのがディフェンスの開いているスペースに入り込んで、バックプレイヤーからボールをもらいシュートする方法です。

一番簡単かつシンプルな方法ですが、レベルの高い試合になると徹底的にマークされるので、なかなかこうしたチャンスは巡ってきません。

バックプレイヤー側に動きボールをもらう

2つ目の動き方は、バックプレイヤー側に出てボールをもらう動きです。こうすることで確実にボールを受けることができ、さらにディフェンスを前後にずらすことができます。

前後にずれると空間が空くので、ドリブルで切り込んだり、サイドの選手が空いた空間に入り込んだりと、攻撃のバリエーションを増やすことができます。

ボールと逆に動く

PVの動き方は、バックプレイヤーがボールを持っているときにボールを受けるのであれば同じ方向に動きますが、ボールとは全く逆の方向に動くやり方もあります。

ディフェンスの選手はボールに合わせて動きます。例えば、ボールが攻撃側のLWまで行っているときには、オフェンス側から見るとディフェンス全体もLWに寄った形になっており、このときRW側には少しスペースが空きます。このスペースにPVが入り込みます。

ただし、この段階ではボールを持っていないので得点を奪うことはできません。

4つ目のスクリーンをかけてディフェンスをブロック

ボールと反対の動きをしたPVが行う仕事が、ディフェンスのブロックです。

理想は、LWにボールが回ったときにはRW側の選手(守備のLBのLW側)に立ちます。ここでボール回しを逆にしてディフェンスを逆側に動かしますが、PVの選手が立っていることで守備のLBの選手が動けないようにします。

すると攻撃側は、RBとRW、守備側はLWのみという数的優位な状況を作り出し、得点しやすくなります。

スクリーンをかけるためには、最初にボールと逆に動くことが大切です。

SKYプレイ

ハンドボールのシュートの中でも最も華がある大技が、SKYプレイです。SKYプレイはジャンプして空中でボールをキャッチしシュートする方法で、バスケットのアリウープに似ています。

ポストプレイヤーができると大きな武器で、タイミングよくディフェンスの背後にボールを出してもらい、それを空中でキャッチしてシュートします。

PVの選手もただ跳ぶのではディフェンスにカットされる恐れがあるので、一旦9mライン付近まで出て、ディフェンスの背後に空きスペースを作り、そこにボールを出してもらうことでシュートできます。

このプレイには副作用があり、一度でもこのプレイをするとディフェンスはSKYプレイを恐れて、6mライン付近を固めます。前に出てこなければ、LBやRBの選手がロングシュートで攻撃をするという違う攻撃パターンも作り出します。

ディフェンス時のPVの位置取りについて

ディフェンスのときのPVの動きも非常に複雑であり、チームのディフェンスの仕方によって異なります。

オーソドックスな「0-6」ディフェンスをするときにはセンターとLBまたはRBの間になりますが「1-5」ディフェンスになるとやや前よりにポジションを取ります。

他にもゾーンディフェンスなのかマンツーマンなのか、ハーフマンツーなのかによっても位置取りが変わってくるので、チームの作戦を熟知してポジションを変える力が求められます。

PVの参考動画

ポストの参考動画をいくつかご紹介します。ポストの動き、そしてポストの使い方になります。

ポストの動き解説

攻撃でのポストの使い方

ポストの使い方

ポストの基本や練習、ルールをおさらい

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