パスにおける基本ルール
投げ方にルールはない
ハンドボールの動きで重要なパスですが、パスの投げ方に特別なルールはありません。
片手で投げてもよいですし、両手で投げてもよいです。オーバーハンド、アンダーハンド、使う手に特に制約はありません。
ハンドボールでは、ボールを片手で扱うことが多いですが、ボールを持ち変える行為はドリブルではなく、静止動作とされるので、規定の秒数以内であれば何度持ち変えてもルール違反にはなりません。
3秒ルールがある
ハンドボールでは、ボールを保持してから3秒以内に次の動作に移る必要があります。
パスを受けてから、ドリブルやシュート、次のパスをするにしても3秒以内アクションを起こさないと反則を取られてしまいます。
3秒ルールについては、中学生や高校生の低いレベルの大会段階ではそこまで厳格に取られることはないですが、上のレベルの大会に行けば行くほど厳格に取られるようになります。
バックパスの禁止エリア
ハンドボールのパスにはバックパスと呼ばれるものがあります。
相手のゴールに対して自分の後方にいる選手に対してパスをするものですが、このパス自体は反則ではありません。
しかし、唯一やってはいけないのがゴールエリアにいるゴールキーパーに対してパスをすることです。このようなパスをしてしまい、ゴールキーパーがキャッチをしてしまうとバックパスの反則となり、フリースローを相手に与えることになります。
このパスは、あくまで故意のバックパスなので、ディフェンスをしている選手のボールがたまたまゴールエリアに入ったり、相手選手のボールがディフェンスの選手に当たったりしてゴールキーパーがキャッチしたときとは異なります。
また、ゴールキーパーがゴールエリアから外に出て、パスのボールを受けたときにはバックパスとはなりません。
パスとパッシブプレイ
ハンドボールでは、バスケットボールと異なり、攻撃時間に対しての制約がありません。
そのため、シュートまでの時間数が定められていたり、一旦フロントコートに入れたボールをバックコートに戻したりすることで反則となることはありません。
ただし、ハンドボールにおけるシュートのルールやハンドボールにおけるドリブルのルールでも触れているように、パッシブプレイに関しては注意しなければいけません。
パッシブプレイとはドリブルやパスなどを使って時間稼ぎをする行為であり、シュートを打とうとする意思がないとレフェリーに判断された時に取られる反則です。
このパッシブプレイに見られるかどうかは、レフェリーの判断基準に委ねられる部分が多く、パスの本数を何本以上行ったので反則と定められているわけでもありません。
明らかな時間稼ぎと判断されると、レフェリーから予告の合図がハンドサインで出ます。このハンドサインが出てもパスをつないでいる状態であればパッシブプレイとして反則を取られ、相手ボールでスタートすることになります。
ゲームを進めていくうえでパス回しは非常に重要ですが、パスを回しすぎると反則行為として扱われる可能性があることを知っておきましょう。
パスと反則のタイミング
優位になるのであればアドバンテージ
パスをしようとする選手に対しての反則は、そのタイミングによって2つの対応に分かれます。
シュートではないので7mスローになることはまれで、基本的にフリースロー扱いとなります。
1. パスを出した際、または出した後に反則があった場合
パスをする選手がパスを出した際、または後のファウル(プッシングやハッキングなど)については、そのパスのボールがパスを出したチームに優位にはたらいている場合は、アドバンテージが取られます。
一方で、不利になってしまった場合には審判による笛が吹かれ、フリースローでゲーム再開となります。
パスの前に反則があった場合
例えば、パスを受けようとした選手に対してのプッシングのケースでは、パスを受けたと仮定して、ファウルを受けた場所からのフリースローでゲーム再開になります。
フリースローラインの内側でのファウルの際の扱い
ハンドボールのファウルで気を付けたいのが、フリースローライン(通称9mライン)とゴールエリアライン(通称6mライン)の間で起きたファウルの場合です。
この場合、どこで起きても、そのすぐ近くのフリースローラインの外側からゲームを再開します。
再開の方法はパスからスタートしてもよいですし、直接ゴールを狙ってもよいです。ただし、フリースローラインを踏んではいけません。
スローインの際の注意点
ハンドボールで、ボールがサイドラインを超えて外に出てしまった場合には、スローインでゲームを再開することになります。
スローインもパスのひとつであり、どこにボールを出すかによってゲーム展開が変わってきます。
スローインときに投げる選手が気を付けておきたいのが、サイドラインを踏んで投げなければいけないということです。
バスケットボールやサッカーではラインを踏んで投げることはいけませんが、ハンドボールでは踏んで投げないと違反になります。
ラインを踏む位置はボールが出た場所で、違う場所で投げると審判に戻されます。
また、ディフェンス側の注意点としては、投げる人から3m離れないといけません。離れていないと警告の対象となります。
コーナースローの注意点
ハンドボールでシュートまたはパスをしたボールが相手の選手に当たってエンドラインを超えた場合には、コーナースローとなります。
ゴールの中心を対象として、どちら側から出たかによってコーナースローをする場所は変わります。また、ゴールキーパーが弾いてボールを出した場合には、コーナースローにはなりません。
コーナースローになった場合には、投げる選手はだれでもよいですがコーナーの部分を踏んで投げるルールがあり、これはスローインのときと同じです。
なお、ゴールに近いエリアからパスを出しますが、9mラインからのフリースローのときのように、味方選手が9mエリアからゴールエリアラインの間に入ってはいけないというルールはありません。味方選手はパスを投げる人にどこまでも近づくことができます。
ディフェンスの選手は3m以上離れないといけません。
ボールの位置と判定
サイドラインとエンドラインの扱い
ハンドボールをしていると、パスミスをした、相手と競り合ってボールがこぼれたというケースが起こります。
このときエンドラインやサイドラインに近いところにボールが転がっていくとラインの外に出たのか、出ていないのか微妙な判定になるケースもあります。
ハンドボールでは「ボールの位置」で判断されており、例え空中であってもラインを完全に超えていれば「ラインの外」とみなされます。
バスケットボールのようにバウンドするまではコート内のボールというわけではないので、外に出たボールを中に入れても無駄です。
ゴールエリアラインは例外
ラインとパスの関係で唯一例外になるのが、ゴールエリアラインです。
このゴールエリアラインの内側は、ゴールキーパーのボールではなく、空中であれば味方選手がパスのボールを受け取って、地面に足をつく前にシュートを打てば得点となります。これをスカイプレイといいます。
まとめ
ここまで、ハンドボールのパスについてのルールを解説してきました。改めてポイントを次の3点にまとめます。
しっかり頭に入れて、プレーに集中できるようにしたいですね。
3秒ルールやバックパスには特に気を付けましょう
ハンドボールでは、パスにおいてもいくつかのルールがあります。特に初心者が気を付けたいのが「3秒ルール」や「バックパス」に関するルールです。
パッシブプレイに注意しましょう
パス回しをしすぎると時間稼ぎとみなされ「パッシブプレイ」という反則を取られるので注意しましょう。
ラインを踏んで投げるのか踏まずに投げるのか注意
ファウルやラインをボールが越えたときにはスローインやフリースローから始めますが、フリースローの際にはラインを踏んで投げてはいけません。
一方で、スローインやコーナースローの場合には、ラインを踏んで投げる必要があります。
パスのルールが分かったら個々の練習
ハンドボールのパスについて、基本ルールや反則行為などが理解できたら、技術や経験を積むトレーニングをしましょう。
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